2017 / 08
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himitu

読むのが怖いが 読まずにはいられない。

平介は、働き盛り壮年の男性。
娘のため妻のため男としての欲望は押さえに押さえている。

高校生の身体を持った妻は料理など家事を見事にこなしながらも普通の女子高校生として学校では暮らす。
そこは共学校。

強烈な押さえ様のない狂おしい嫉妬心に平介は苛まれる。
読んでいるこちらの鼓動も激しく息苦しくなる。
そのためにとった彼の行動は決して褒められた事ではない。
妻との間に大きな溝が生じる。
自己嫌悪に沈む平介。

『やはりこうなってしまうのか...』
こうなって欲しくない展開に物語が進む。
『それはイカンだろう』と同時に『こんなに辛いんだから』 と思うのは自分が男だからか?
ギリギリのところでそうはならない。
大きな安堵感を覚える(小説なのに!)

ページを繰るのが辛いストーリ展開。
『ラストは一体どうなるんだ....』

「藻奈美」
ついに意を決した平介は妻でなく娘の名で話しかける。

驚いた直子(藻奈美)はいつまでもむせび泣く。

次の朝、直子の心は小学5年生の藻奈美に戻っている。

ここからラストまで60ページ。

ラストは藻奈美の結婚式。

平介はそろそろ還暦を迎える年齢。
式の当日、偶然平介は 直子と交した二人だけの”秘密” からある確信を得る。

これは辛い、どうしようもなく辛い....

うんと平介は頷いた。永遠の秘密を認める 首肯でもあった。』(原文)

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「ハッピーエンドはあり得ない」と思ってはいても、とてつもなく辛いラスト。
映画のラストは違う設定になっているらしい。
映画を見た娘は「ラストがとても良かった」と言う。
原作を読んだ自分は、違うラストを認めない。

やれやれ、また入り込んでしまった。

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読んでいて急に BGM が欲しくなった。
ストーリが辛すぎるからか。
『ICO』そして『モールス』のサントラ。

幻想的で切ない。

作者も主人公も、そして私も男。
女性はこの物語をどう感じるのだろう。
きっと平介を愛していた直子を責める事は出来るのだろうか。

再読はキツイが心に深く残る物語。

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鈴木 豊

Author:鈴木 豊
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