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2023 / 06
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上橋菜穂子原作の「精霊の守り人」シリーズ・全10巻 読了しました。
爽快な満足感があります。

ちょうどNHKで「大河ファンタジー」としてドラマ化されてますので(まだ年末に第3部があるそうです)ご存知の方も多いでしょう。
陰謀で殺されそうになった父から、娘の命を託された親友の短槍の遣い手ジグロ。
その娘・バルサが主人公。
バルサも短槍の遣い手となり育ての父・ジグロと共に用心棒稼業で生きていく。

実世界と異世界が交錯する中、その異世界を見ることのできる王子・チャグム、呪術師・トロガイや幼馴染の薬草師・タンダが絡み合う壮大なファンタジー。

なんでも児童文学(エッ!?)として分類されてたのが、新潮文庫化され一気に年齢層が広まったそうです。

ダークな雰囲気漂う「闇の守り人」、美しい景色が目に浮かぶようなファンタジー「夢の守り人」(この巻だけで映像化してほしい)など好きでした。

作者の上橋氏の対談番組を視聴しましたが、ただの?好奇心旺盛なおばちゃん(失礼!)にしか見えず、とてもこんな壮大なストーリー展開を思いつくように見えないところも好感が持てます。

今は外伝ともいえる短編集を読んでいます。
バルサとタンダの幼い頃の話など微笑ましく、本編の10巻を読んだ後なればのジーンとくる感覚もあります。

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ジャズメンとの約束

ジャズメンとの約束 中山康樹 集英社文庫 233ページ

ジャズ界の巨匠達のエピソードを中山氏自らの交流を含めエッセイ風にまとめた本。
『クスッ』と笑ったり『ジーン』としんみりする話が一遍数ページで語られる。

一世を風靡したミュージシャンの末路はその活躍ふさわしいとはいえない。
たとえ著名であろうともごく一部を除き日銭のギャラで生活する者が殆ど。
老年には当然身入りも細る。

巻末には氏の推薦する30枚がある。

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神の発見 五木 寛之・森  一弘 学研パブリッシング 297ページ
霊の発見 五木 寛之・鎌田 東二 学研パブリッシング 309ページ


五木寛之の対談シリーズ。
「神の発見」は牧師である森一弘との対話。
日本人一般的にはクリスマスと結婚式以外に馴染みの薄いキリスト教について語られる。

「霊の発見」は、神職の資格を持ち「神道ソングライター」としても活躍する鎌田 東二との対話。
「気の発見」同様、俄には信じられない予知能力などについて興味深い対話が続く。
大本教の出口王仁三郎は大正時代(!)『次の戦争は真珠湾から始まり、空の戦争になる。広島に大爆弾が落ち日本は潰れる』などと予言している。
当然、教団の神殿や鳥居がダイナマイトで爆破されるなどの国家弾圧を受けた。
しかし今から見れば見事にその通りとなった。

新興宗教などのイカサマ予言がニュースになるが、『人間の未知能力として予知能力を持った人がいるのかも』と思わせる様な事例が述べられる。


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th_th_th_サラバ! 上th_th_th_サラバ! 下

サラバ!(上巻) 西 加奈子 小学館  375ページ
サラバ!(下巻) 西 加奈子 小学館  358ページ


西 加奈子は初めて読む。
芥川賞を受章した又吉直樹が、この本を絶賛する番組を家族で見ていて「へ〜ェ」と読みたそうに言っていたら、娘が誕生日にプレゼントしてくれました。

表面的には裕福でさしたる問題もなさそうな家族が、あるきっかけから数々の問題をはらみ一家離散となる。
主人公の圷歩(あくつあゆむ)の幼い頃から40歳近くまでの物語。

テンポの良いユーモアを交えた文体。
サッサか読める。

優柔不断な主人公に『こんな風に感じた事もあった気が.... 』と自分の優柔不断さが重なる。

読んでいて自分の生い立ちがとても懐かしく想い起こされる。


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妻と飛んだ特攻兵

「妻と飛んだ特攻兵」 豊田正義 角川文庫 421ページ

停戦後、しかも妻を乗せた特攻。

旧満州国に赴任した谷藤徹夫少尉と妻朝子の実話。

敗戦が決まり武装解除しソ連に武器の引き渡しが命令されていた時期。

しかしソ連兵の鬼畜にも劣る(といっては鬼畜に失礼、それ以下)強姦、暴行、略奪、殺戮行為は収まらない。
「葛根廟事件」(知らなかった。避難する1,300人ほどの民間人、その殆どが婦女子。その一群に遭遇したソ連戦車隊はまとめ役の浅野参事官が白旗を掲げているにもかかわらず射殺。あとは逃げ惑う同胞をお遊びのようにキャタピラで轢き殺した。)

その惨劇を偵察飛行で見てしまった隊員が「神州不滅特別攻撃隊」を結成する。
このままでは、残った人達もあの戦車隊がやってくれば無抵抗でも同じ目に遭う。
ならば戦車隊に特攻して少しでも民間人が逃げられる時間を稼ぐ。

敗戦後の攻撃は命令違反。
11名の隊員は極秘に計画を進める。

残った11機の飛行機をソ連に引き渡すべく飛び立った一隊は別れを告げるように翼を振り、違う方向(戦車隊)へ舵を切る。
許嫁が自決するのを見届けてきた隊員、妻を乗せた隊員。

読む前から泣きそうだった。

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鈴木 豊

Author:鈴木 豊
ギターの傍らでの、よしなしごと...

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